=== Osamushi Mail Magazine =============================================
2000/03/10 (通巻26号/1619部発行)
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Osamushi Mail Magazineは、手塚治虫氏の出版・イベント情報など
ホットな話題をお届けする無料メールマガジンです。
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[トピックス]
◇最近の手塚関連の話題
◎お台場に手塚グッズ店オープン
[私の手塚作品ベスト10]
◇第11回:加藤 浩司さん
[ザ・見出し!]
◇2000年2月の雑誌・新聞記事
[手塚治虫ショートショート]
◇第12回:トビオの交通事故のあった年
[手塚治虫最新ニュース]
1:出版
2:イベント情報
3:放送
4:ステージ
5:その他
[ど〜でもいいけど気になる!?一冊]
◇手塚治虫が取り上げられている本
◎『極意と人間―極意学入門』 高岡英夫著
[今日は何の日?]
◇03月10日の手塚関連の出来事
[今週のひとこと]
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[トピックス]
◇最近の手塚関連の話題
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◎お台場に手塚グッズ店オープン
4月1日(土)東京・台場のアクアシティ内に
「手塚治虫ワールドアートスクエア」がオープンする。
版画販売会社アールビバンの直営店で原画から復元した版画29点の販売の
外にもキャラクターグッズなどにも力を入れていくようだ。
店舗面積は126平方メートル。
それに先立ち3月21日まで東京・有楽町の有楽町阪急8階ギャラリーで
版画やグッズの販売、手塚作品の紹介パネルなどの展示会「新生」手塚治虫展
(入場無料)が開催されている。
アールビバン http://www.artvivant.co.jp/
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[私の手塚作品ベスト10]
◇このコーナーは、手塚作品ベスト10を読者の皆様にお聞きし
作品についての思いを誌上に語ってもらうコーナーです。
まだ読んでいない作品があれば参考にしてください(^^)
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第11回:加藤 浩司さん(mailto:kojikato@pop17.odn.ne.jp)
「私の手塚作品ベスト10」
特に順位は付けずに好きな10作品を挙げました。
・陽だまりの樹
・アドルフに告ぐ
悲劇的な歴史物という点で共通した2作品。
知名度では圧倒的に「アドルフに告ぐ」が優っていますが、語り口の軽
妙さと、軽妙さゆえに悲しみが際立つ「陽だまりの樹」も忘れ難い作品で
す。
いい意味での手塚治虫らしさは「陽だまりの樹」の方が発揮されている
ように思います。
・ブッダ
聖人が主人公だなんて、どうしようもなく無味乾燥な漫画なのでは……
と文芸春秋漫画賞の冠に半信半疑で読み出したのは私です。みくびってお
りました。
・ジャングル大帝
・海のトリトン
描かれた時期は20年の開きがありますが、設定やテーマが似通っている
せいか、私はなんとなく同列に見ています。
手塚氏は「海のトリトン」にはやや醒めた感情を持っていたことが全集
版の後書きから伺えますが、好きな作品です。
ただ、「自己犠牲による主人公の死」という2作品に共通したラストに
は賛否あるかも知れませんね。
・ハトよ天まで
地味な作品ながら不思議と好きで、後になって手塚氏自身も気に入って
いると知ってとても嬉しくなりました。
ただ、あのどんでん返しは……ウーン。
・どろろ
悲劇満載の物語なのに重い気分にならずに読めるから不思議です。
全集のあとがきで手塚氏は「やりきれない暗さを露呈しました」と語っ
ていますが、どろろのコミカルな描かれ方の賜物でしょうか、私は最後ま
で面白く読めました。
・紙の砦(短編集)
自伝的なものを中心に6篇が収録された短編集です。
1篇に絞れなかったのでまとめて1作としました。
不安、焦燥、喪失、絶望、解放。中身の濃い1冊だと思います。
・ルードウィヒ・B
・グリンゴ
ああ、未完。
被差別、反骨心、バイタリティ、執念。晩年の手塚氏の心境の表れで
しょうか、主人公の描かれ方がどこか似通っているように思います。
(惜しくもランクから外れた「どついたれ」からも同じような印象を受け
ます。)
但し「グリンゴ」の主人公の方が若干醒めた視点で描かれているような
気がします。日本人の村落に身を置いた彼に手塚氏は何をさせようとして
いたのでしょう。
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[ザ・見出し!]
気になる新聞、雑誌から主な手塚関連の掲載記事を1ヶ月分まとめて紹介します。
見出しで1ヶ月の動向を探ってみましょう。
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◎2000年02月の主な「手塚治虫」関連「雑誌・新聞」記事
☆新聞記事
・2000年02月01日 産經新聞
中田秀夫監督ラブストーリーに初挑戦 手塚治虫原作「ガラスの脳」公開
・2000年02月04日 毎日新聞
【シネマ】新作「ガラスの脳」中田秀夫監督 「ジャンルは違っても
演出方法は同じ」
・2000年02月10日 西日本新聞
小原裕貴さん 主人公のいちずさ、僕にもある
・2000年02月15日 読売新聞
映画「リング」の中田秀夫監督が恋愛ものに挑む 手塚治虫原作の
「ガラスの脳」
・2000年02月19日 西日本新聞
「リング」の中田監督 “純愛”に挑戦 映画「ガラスの脳」繰り返すキス
・2000年02月23日 スポーツニッポン
本木雅弘「ブラック・ジャック」になる!TBSで4月上旬放送
・2000年02月25日 読売新聞/福岡版
鉄腕アトム論で博士号を 九大大学院に漫画学ゼミ
2000年春開講
・2000年02月25日 産經新聞
アトムからAIBOまで きょうからロボット展 東京・草月会館
・2000年02月25日 読売新聞
人気ロボ大集合! 鉄人28号からAIBOまで きょうから東京・赤坂で
・2000年02月26日 産經新聞
【十字路】「アニメ・カルチャー展」 滋賀県立近代美術館
・2000年02月26日 朝日新聞/滋賀版
日本のアニメ史たどる 県立近代美術館カルチャー展
・2000年02月28日 日刊スポーツ
木村佳乃 テレビ朝日のスペシャルドラマ「手塚治虫劇場」で
“メルモ”に挑戦
・2000年02月28日 スポーツニッポン
木村佳乃「メルモ」に テレビ朝日「ふしぎなメルモ」主演
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[手塚治虫ショート・ショート]
◇第12回:トビオの交通事故のあった年
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トビオの交通事故のあった年
アトム誕生のきっかけとなったトビオの交通事故は何年にあったのだろうか。
アトムの誕生年には2003年、2013年二つの説があるが、以下2003年説を使用す
ることにする。
朝日ソノラマのサンコミックス版のプロローグ「アトム誕生」では、、トビオ
の交通事故は2003年の事だとしている。交通事故があったのが1月上旬だとして
も、アトムの誕生日4月7日まで三ヶ月しかない。このような短期間で、アトムの
ようなロボットを作れるのだろうか。
「アトム今昔物語」では、トビオの交通事故からアトムの誕生まで、2年余り
の年月がたっている。(「アトム今昔物語」講談社全集版第2巻P138)そうする
とトビオの交通事故は2001年だったことになる。
アトム誕生の後、天馬博士がアトムが成長しないのに気がついたのは、その誕
生から何年後のことだったろうか。すくなくとも2003年中のことではなかっただ
ろう。その後、アトムはサーカスに売られていくのだが、「アトム大使」は2003
年の数年後の話だろう。
2001年は目前である。
[担当:佐藤和美]
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[手塚治虫最新ニュース]
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1:出版
○03/10 秋田書店 秋田文庫「魔神ガロン」2巻
○秋田書店の漫画雑誌「ミステリーボニータDX」(隔月刊)
"リリカ"に連載された「ユニコ」が再連載中。
http://www.akitashoten.co.jp/
○集英社 漫画雑誌「オールマン」に手塚治虫研究連載中
「よみがえる巨星・手塚治虫 THE KING O.T」構成・文:池田啓晶氏
毎月第1・3水曜日発売。
2:イベント情報
○宝塚市立手塚治虫記念館
「手塚治虫が愛したアニメーションの世界展」
2000年04月25日(火)まで開催中
実験アニメの「森の伝説」を中心に未完のアニメやアニメの製作
「セル画〜撮影まで」、さまざまな手法のアニメーションの紹介
○アンパンマンミュージアム(高知県香北町)
「手塚治虫の世界展」、「色彩展」
2000年04月10日(月)まで開催中
問い合わせ:0887-59-2300
○ながの東急シェルシェ 5Fホール
テレビ信州開局20周年記念手塚治虫展
2000年3月24日(金)〜4月5日(水)まで開催予定
問い合わせ:026-227-5511(テレビ信州)
○滋賀県立近代美術館
「アニメ・カルチャー展」
2000年4月2日(日)まで開催中
月曜休み(3月20日は開館し、21日休館)。
一般900円(高校・大学生650円、小・中学生450円)
セル画や制作風景の写真、画材、コスプレ衣装、映画予告編の映像など
多彩な資料が、大正期から現代まで時代順に展示されている。
手塚関連では、東映動画の『西遊記』のキャラクタースケッチなどが
展示されている。
http://www.shiga-irc.go.jp/shiga/kinbi/1999/feb/index.html
○東京国際フォーラムB2F”第100回日本外科学会総会”
「ブラック・ジャック展」
2000年4月12日(水)〜4月14日(金)まで開催予定
入場無料
3:放送
○TBS系 スペシャルドラマ「ブラック・ジャック」
2000年03月31日(金)21時〜23時放送予定
主演は本木雅弘
http://www.tbs.co.jp/
○文化放送 連続ラジオドラマ”「手塚治虫の火の鳥〜永遠の生命」
1999年10月7日〜2000年3月30日 毎週木曜日 21時〜21時30分
劇団「昴」の役者さんによってラジオドラマ化
全25回放送
○テレビ朝日のオムニバス2時間ドラマ「手塚治虫劇場」
2000年4月13日(木)20:00〜22:00放送予定
手塚作品の実写ドラマ化
「ふしぎなメルモ」(木村佳乃出演)
「るんは風の中」(今井翼、池脇千鶴出演)
「カノン」(緒形拳、富田靖子出演)
○03月のWOWOW手塚治虫劇場
★手塚プロ制作『三つ目がとおる』(月〜木AM7:00〜、PM6:30〜(再))
放送中。
<放送スケジュール>
http://www3.mediagalaxy.co.jp/wowow/schedule/index.html
○日本テレビ アニメ「陽だまりの樹」(全26話)
2000年04月04日(火)25:20 第1回放送予定
(毎週火曜日 24時50分〜)
http://www.ntv.co.jp/
4:ステージ
○赤坂ACTシアターにて舞台「七色インコ」
2000年05月14日(日)〜05月30日(火)上演予定
七色インコ:稲垣吾郎、千里刑事:宮沢りえ
5:その他
○古本屋の『まんだらけ福岡店』
2000年3月11日(土)にオープン
(地下鉄1号線天神駅より徒歩4分)
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[ど〜でもいいけど気になる!?一冊]
◇手塚治虫が取り上げられている本
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◎『極意と人間―極意学入門』 高岡英夫著
BABジャパン 2000.1.20 318p \2,200(税別)
凡人では不可能な事をなしとげた超人達?の身体意識の構造を人類普遍の
メカニズムとして完全解析・理論化してる本。
マイケル・ジョーダン、イチロー、宮本武蔵...らと一緒に手塚治虫も
取り上げられています。
序章 :ディレクト・システムの時代が始まる;
第1章:センター・体軸・正中線そして天地の軸
第2章:極意体現への取り組み
第3章:自由と拘束(フリーとスティフ)
特別編:坂本龍一の訪問
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[今日は何の日?]
◇3月10日の手塚関連の出来事
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「初出(漫画)」
◎ぼくはにんじゅつつかい:読みものとまん画(朝日新聞社:1955年)
◎グランドメサの決闘:プレイコミック(秋田書店:1969年)
◎BJ“おまえが犯人だ”:週刊少年チャンピオン(秋田書店:1975年)
◎BJ“U-18は知っていた”:週刊少年チャンピオン増刊(秋田書店:1976年)
◎人気キャラクター大年鑑”:週刊少年チャンピオン増刊(秋田書店:1976年)
◎新・聊斎志異-叩建異譚:コミックバーガー(講談社:1987年)
「初出(エッセイ)」
◎山川惣治先生とぼく:少年ケニヤプログラム(1984年)
◎トーキー以後の漫画映画:講座アニメーション2
世界の作家たち
(美術出版社:1987年)
「再録単行本」
◎手塚治虫全集“リボンの騎士1”(小学館:1969年)
◎手塚治虫全集”鉄腕アトム9”(小学館:1969年)
◎手塚治虫全集“鉄腕アトム20”(小学館:1970年)
◎COMコミックス増刊“きりひと賛歌(上)”(虫プロ商事:1972年)
◎パワァコミックス“鬼丸大将2”(双葉社:1975年)
◎週刊少年チャンピオン増刊“ブラックジャック特集号”(秋田書店:1976年)
◎“ブッダ8”(潮出版社:1988年)
★ピックアップ
「おまえが犯人だ」
この作品を読んだのは講談社の全集(鉄腕アトム別巻1)でした。そのころって
ブラックジャックもまともに読んだとはいえないころだったので、この作品は
本当にアトムの一エピソードであると思い込んでいたんですよね(^^;)。
今考えるととっても不思議な感覚で手塚作品を読んでいたんだなぁ
と考えさせられます。
これって手塚先生のキャラクターシステムの魔術にはまっただけなんですけど
それにはめてしまう手塚先生ってやっぱりすごいですよね。
こういう体験持っている人ってほかにもいるんじゃないですか?。
[担当:あきひこ]
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[今週のひとこと]
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最近ネットオークションが面白いです。他人の入札状況を眺めているだけでも
十分楽しめます(^^)。
[こ]
次号は、03月27日の発行予定です。
●手塚治虫メーリングリスト参加者募集●
双方向型メーリングリストへのご参加もお待ちしております。
http://www.osamushi.com/aboutml.html
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■発行元:手塚治虫メーリングリスト
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連載:鈴木昭彦(aki@phoenix.to)
佐藤和美(hi5k-stu@asahi-net.or.jp)
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