[osamushi 9067] BJ 第95話 感想
Date: Tue, 2 Jan 2001 18:12:13 +0900

薮内です。

続いては 第95話 「魔王大尉」 です。

この話の感想はあまり書きたくありません。
と言うよりはこの話をよく読んでいただくと
この「感想の会」を提案するきっかけになった
「自分の過失で病気になった」患者の手術・治療・費用に対する
私の考え方の多くが示されていると思います。
ですから、十分に読んでいただければ嬉しいという意味です。

BJの「この人の心の傷は・・・」「もう手遅れだ」に共感を覚えます。

もし、頭の傷だけが治って元気いっぱいになったこの「魔王大尉」の
心の傷(罪の意識があるとは思えないが)をどこかの精神科医さんが
治すのにどれだけ時間がかかるでしょうね。
それでも治ったら、この「魔王大尉」はベトナムにお詫びに行くでしょうか。
行ってくれると信じたいですね。
最近の凶悪少年犯罪の「医療少年院送致」の判決を見てシミジミと
そう思います。

 薮内 覚


[osamushi 9080] BJ第95話感想
Date: Fri, 05 Jan 2001 00:58:22 +0900

 みなさん今晩は。金沢みやおです。

>[9077] 石原亘さん
>俺は[エヴァンゲリオン]の方を思い出しちゃいました(ぽりぽり)。
>マックの電源ケーブルとか。

 あやっぱりそうでしたか。最近のアニメでどうもアンビリカルケーブルと聞
 いたような気がしていましたが、エヴァンゲリオンのあの動力線でしたか。
 ふーん、Macのケーブルもそうだという事は、電力(か何かのエネルギー
 源)供給ラインをアンビリカルと呼ぶのは、工学用語の定石になってるんで
 しょうかねー。

 「魔王大尉」

 BJが自分の姿勢を明瞭に述べているのが印象的です。
 「助けをもとめてる患者を たすけないわけにはいかんのだ」
 「それが私の仕事さ」
 「罪のつぐないとは別のものだ」
 自分は患者を治すプロであり、それは患者がだれであろうと関係無い。
 罪の有無を判定したり、裁きに手を貸すのは私の仕事では無い。と割り切っ
 ています。

 自分も「モグリの外科医」というアウトローのBJには、裏世界からの依頼
 やら独裁者からの依頼やらが引きも切らないですから、姿勢を明かにしてお
 かないとやって行けません。このあたり、依頼主の陣営とは無関係に仕事を
 する、ゴルゴ13と同様です。

 ただ、BJの場合そうは言いながらどうも微妙で…。

 今回もグチャン村の子供たちに、
 「うそです 先生はお金たくさんもらうからなおすんだ」
 と言われると、後ろめたいような表情で視線をそらしてしまっているし、
 「金をもらうのがなぜ悪い?!」
 と、過剰に反応しています。髪の毛の白黒位置が変動するほど動揺して
 いますが、基本姿勢ははっきりさせたんだから、そんなにうろたえては
 いかんなーBJ。

 さらに、子供たちを手術に立ち合わせ、
 「もし この男を殺したければ そこのメスをとって殺すがいい」なんて、
 ちょっと待て。依頼を完遂すべきプロにはあるまじき事を言ってますね。
 子供たちへの精神的な荒療治とはいえ、危険な賭けでした。彼らが襲って
 来たならどうするつもりだったのかと、いらぬ心配をしてしまいます。

 BJの脳手術は、ケネス大尉の異常な残虐性を弱める方向にも効いたので
 しょうか。手術中に死の恐怖を味わったことと合わせて、大尉は自分が働い
 た残虐行為の恐ろしさに戦慄し、錯乱のあげく自ら命を絶ちます。

 で、一応お話は落ち着くのですが…。
 BJは頼まれもしないのに「ケネス大尉に、殺される立場を味わわせる」と
 いう余計な事をしているわけで、BJが彼を自殺に追いやるように仕向けた、
 と読めなくもないです。
 お話としては、悪者が滅びるカタルシスが欲しいからこうなりますが、誰で
 あれ患者は助けるといいながら、いらん事をするBJ。
 いざ感想文を書こうとネチネチ読み返すと、どーもこの辺がすっきりせず、
 私には後味がいまひとつでした。


[osamushi 9136] BJ第95話感想
Date: Wed, 17 Jan 2001 13:35:15 +0900 (JST)

 虫媒花です。

 BJ第95話「魔王大尉」について;

 BJは、ベトナムで虐殺を行った米軍大尉を治療します。
 彼にとっては、患者が悪人だろうと善人だろうと関係ないのです。
 だけど、この大尉の態度はあまりにも傲慢で無反省、無神経
でした。
 それで、たぶんカチンときたんでしょう、BJはこの大尉のせいで
孤児となった子供たちを、大尉の手術の立ち会い人にします。

 この大尉、傷が治って軍に復帰したら、また戦争に出てたくさんの
罪もない人を殺しそうな奴です。だからBJとしては、
「こいつを治したい、助けてやりたい」とは、心から思えなかったの
でしょう。で、大尉に対する生殺与奪の権を、孤児たちに託すことに
したんだと思います。
(BJは、人を殺すシャチは治療せずに見放しています)

 孤児たちが、手術の邪魔をして、大尉を死なせることがあったと
しても、BJは「しようがない」と認めたんじゃないでしょうか。
 そして、孤児たちが殺人罪に問われないように、大尉は手術が
うまくいかなかったために死んだのだと、米軍には報告するつもり
ではなかったのかと思います。
(手術室の中では殺人もごまかせる!?)

 はっきり言って、BJには、大尉を治したい気持ちと治したくない
気持ちの両方があった。でも、自分自身ではどちらか選ばず、
孤児たちに任せて、ジレンマを回避したのです。
 その点、BJは、ちょっと卑怯だったかなあ・・・(^o^)

 で、見どころは、孤児たちが手術の邪魔をするかしないかで、
息を呑む手術シーン。
ドキドキです。
結局、孤児たちは、実際の手術の迫力に負けて、復讐を断念し、
ゾロゾロと手術室を出ていきます。
 BJもホッとして「よくわかってくれた」なんて言いますが、
実は自分が悩まないで済んだので、安心したのかもしれません。

 で、結果として手術は成功するのですが、大尉は自殺してしまい
ます。
 最後は錯乱してますね、大尉、よっぽど怖かったんでしょう。
 大尉が麻酔で朦朧としていて、抵抗できず、まったく無力なときに、
孤児たちを引き会わせたんですから、BJには怖がらせるつもりが
おおいにあったと考えられます。
「許してくれーっ」とひと声叫んで死んでいく大尉は、恐怖の手術の
でこらしめられて、良心のかけらがよみがえったのでしょうか?

虫媒花


[osamushi 9137] Re: BJ第95話感想
Date: Wed, 17 Jan 2001 15:53:54 +0900

星野です。

On Wed, 17 Jan 2001 13:35:15 +0900 (JST)
虫媒花さん wrote:

> この大尉、傷が治って軍に復帰したら、また戦争に出てたくさんの
>罪もない人を殺しそうな奴です。だからBJとしては、
>「こいつを治したい、助けてやりたい」とは、心から思えなかったの
>でしょう。で、大尉に対する生殺与奪の権を、孤児たちに託すことに
>したんだと思います。
>(BJは、人を殺すシャチは治療せずに見放しています)
>
> 孤児たちが、手術の邪魔をして、大尉を死なせることがあったと
>しても、BJは「しようがない」と認めたんじゃないでしょうか。
> そして、孤児たちが殺人罪に問われないように、大尉は手術が
>うまくいかなかったために死んだのだと、米軍には報告するつもり
>ではなかったのかと思います。
>(手術室の中では殺人もごまかせる!?)

私としては、BJは子どもたちが(たとえ魔王大尉だったとしても)殺人を犯すこ
とはない、と信じていたのだと思います。
だから、子どもたちが大尉を殺そうとしたときはきっと止めたのではないでしょ
うか。トリトンを見殺しにしてしまったのは若気の至りだと思っています。

# 若い時ではなかったらBJはトリトンをどこかに搬送したりしたでしょう。
--
HOSHINO Hitoshi


[osamushi 9139] BJ第95話「魔王大尉」感想
Date: Wed, 17 Jan 2001 19:28:20 +0900

拝啓

BJ第95話「魔王大尉」の感想を申し上げたく。
本作は、BJ諸作の中でも、好きな作品でした。
BJと、生存者の孤児たちとの、感情的な対抗関係が、
テンポ良くまとめられて、
感動的なドラマになっていると思います。

孤児たちは、BJに、「敵が憎い」という感情を
ナマのままぶつけます。
その気持ちに嘘偽りは無いので、
BJのハートにも、ストレートに届きはしたようですが、
分別ある大人であるBJとしては、
孤児たちに同情はしても、
「憎い奴だ。だから、見殺しにしよう」といった具合に、
短絡的な行動に移るわけにも行きません。
(だから、BJは、リチギにも、孤児たちから、
石をぶつけられ放題になっているのだと思います。)

「憎悪」から「葛藤」そして、「和解」へと、
ドラマの起伏が、少ないカット数で展開されていますので、
緊密な、息もつかせない作品に仕上がっていると思います。

話は変わりますが、
作中、「グチャン村の事件」というのは、おそらく、
ベトナム戦争中に発生した「ソンミ村事件」のことを
下敷きにしているものと思われます。

私には、本作中の「魔王大尉」の人物造形は、
類型的な「悪役」の域を出ていないもののように思われ、
近年では、もの足りなく感じるようになりました。

仄聞するところでは、「ソンミ村事件」を惹き起こした
米国軍人・カーリー某は、南部出身の、
教育のある、もの静かな男だった、とのことです。
そういう人物でも、TPO次第では、
500近い人間を虐殺してしまうのです。
人間とはなんとも不気味なものではありませんか。

「戦争だからしょうがなかった」?
では、「北陵クリニック」の事件は
どのように考えたら良いのでしょうか。
「明るくて働き者の」準看護士は、
なぜ、あんな恐ろしいことを
相当な長期間に渡って、
平然とやり続けることができたのでしょうか?

正確な引用ではありませんが、
エルサレムでのアイヒマン裁判を傍聴した、
ドイツの哲学者、ハンナ・アレントが、
こんなことを書いていたと記憶しています。
即ち、「ユダヤ人虐殺を直接指揮した、
悪魔のような人間」、
元ナチス・ドイツ親衛隊中佐、
アドルフ・アイヒマンの正体は、
実は、我が身が可愛いだけの、
小心翼々たる小役人に過ぎなかった、というのです。
ユダヤ人虐殺という重大犯罪に比して、
その「責任者」であるアイヒマン本人の、
「この余りの凡庸さに絶望する」
そういう意味のことを、
ハンナ・アレントは書いていたと記憶しています。
誠に、殺された者の無念を思えば胸が潰れる思いです。

虐殺者は単純明快な悪党で、
後悔して自殺すれば、世界は「救済」される、
というのは、いささか出来過ぎた話に思われます。

もっとも、本作の基本構造は、
冒頭にも述べた通り、
「BJと孤児たちとの、感情的な対抗関係」にあります。
(BJは、「魔王大尉」に対しては、
一方的な批判者として振る舞うだけです。)
表紙も含めて20ページの短編にまとめる上では、
脇役「魔王大尉」の一人歩きを制限するのは、
やむを得ないことかも知れません。
もし、「魔王大尉」の人間性にまで踏み込んでいたら、
作品構成上、収拾がつかなくなっていたかもしれません。

「この人の心の傷はもう手おくれだね」
そう言い切って、「魔王大尉」を突き放してしまうBJは、
いささか教訓者めいているようにも感じられますが、
本作はこれでよし、とすべきなのかもしれません。
思えば、少々教訓臭いのも手塚先生の身上ですから。

敬具

藤村 甲子園


[osamushi 9141] BJ第95話感想
Date: Wed, 17 Jan 2001 23:06:40 +0900

こんばんはISHIBASHIです。

BJの感想会初めて参加させていただきます。
かなりドキドキ

BJ第95「魔王大尉」について

これ初めて読んだ時確かにBJは危険な
賭けにでたな〜と思いました。
でもBJは善人でも悪人でも誰でもとにかく
人を殺すことが好きな大尉に
武器をもたない無抵抗な人間が銃を向けられ殺される!と
いう瞬間のなんとも言えない恐ろしさ・何もできない悔しさなんかを
思い知らせてやりたかったんだと思うと
納得できました。

大尉の自殺という終わり方は後味悪いけど、
それほどのことを大尉はしてきたんだし、
因果応報ってやつだと思います。
この大尉は罪を悔いてたというよりも自分が殺してきた人達に
取り殺されるのが恐かっただけで最後まで自分が可愛い奴だったように
思います。

BJが手術室なんかに子供を入れたのも
自分達がされた嫌なことは人にしない
つまり無抵抗の人間、意識がはっきりしてないような
相手に危害を加えない子供達だと信じてやったんでしょうか。
子供は生の手術を見て命ってものを
間近に感じただろうし、いい意味で刺激になったと思います。

けれど悪人と善人との境界はどこでひけるんでしょう。
もし子供たちが思いとどまらず大尉を殺してしまったと
したら、情状を酌量してもらえるとはいっても
悪人には変わりないだろうし。
そうなったらBJも共犯。少し話がずれてるかもしれませんが、
これを書いてて森鴎外の「高瀬舟」を
思い出しました。

今読んでから書いたわけじゃないから
変な部分があるかもしれないです。すみません。。。


[osamushi 9143] Re: BJ第95話感想
Date: Wed, 17 Jan 2001 23:33:21 +0900


薮内です。

> こんばんはISHIBASHIです。
>
> BJの感想会初めて参加させていただきます。
> かなりドキドキ

初めての参加、ありがとうございます。
とてもとても喜んで歓迎、感謝します。
これからもちょいと一杯のつもりでちょこちょこ参加を
お願いします。

> BJ第95「魔王大尉」について
>
> これ初めて読んだ時確かにBJは危険な
> 賭けにでたな〜と思いました。
> でもBJは善人でも悪人でも誰でもとにかく
> 人を殺すことが好きな大尉に
> 武器をもたない無抵抗な人間が銃を向けられ殺される!と
> いう瞬間のなんとも言えない恐ろしさ・何もできない悔しさなんかを
> 思い知らせてやりたかったんだと思うと
> 納得できました。
>
> 大尉の自殺という終わり方は後味悪いけど、
> それほどのことを大尉はしてきたんだし、
> 因果応報ってやつだと思います。
> この大尉は罪を悔いてたというよりも自分が殺してきた人達に
> 取り殺されるのが恐かっただけで最後まで自分が可愛い奴だったように
> 思います。
>
> BJが手術室なんかに子供を入れたのも
> 自分達がされた嫌なことは人にしない
> つまり無抵抗の人間、意識がはっきりしてないような
> 相手に危害を加えない子供達だと信じてやったんでしょうか。
> 子供は生の手術を見て命ってものを
> 間近に感じただろうし、いい意味で刺激になったと思います。
>
> けれど悪人と善人との境界はどこでひけるんでしょう。
> もし子供たちが思いとどまらず大尉を殺してしまったと
> したら、情状を酌量してもらえるとはいっても
> 悪人には変わりないだろうし。
> そうなったらBJも共犯。少し話がずれてるかもしれませんが、
> これを書いてて森鴎外の「高瀬舟」を
> 思い出しました。
>
> 今読んでから書いたわけじゃないから
> 変な部分があるかもしれないです。すみません。。。

変な部分など、全然ありません。
ステキに、素直に思ったことをお書きだと思えます。
次回も軽ーーーく参加して下さい、お待ちしています。

 薮内 覚


[osamushi 9152] Re: BJ第95話感想
Date: Thu, 18 Jan 2001 18:20:28 +0900 (JST)

 虫媒花です。
 95話「魔王大尉」について、いろいろなかたのご意見が読めて
嬉しかったです。
星野さん、ISHIBASHIさん、藤村甲子園さん、今後ともよろしく!

> 星野です。
> 私としては、BJは子どもたちが(たとえ魔王大尉だったとしても)殺人を犯すこ
> とはない、と信じていたのだと思います。
> だから、子どもたちが大尉を殺そうとしたときはきっと止めたのではないでしょ
> うか。トリトンを見殺しにしてしまったのは若気の至りだと思っています。
> # 若い時ではなかったらBJはトリトンをどこかに搬送したりしたでしょう。

 うーん。そういえば、確かにシャチのトリトンを見殺しにしたのは、
BJ若かりしときでした。

BJは、大尉の手術を始める前に、孤児たちに「もしこの男を殺した
ければ、そこのメスをとって殺すがいい。だが命を救うということも
神聖な行為だとわかったら、最後まで手を出さずにジーッと見ているんだ。
いいな」と念を押すように言ってますでしょう?
これだけ言い切ってしまうと私、孤児たちが「それじゃあ殺す」とか
言って、メスをとって大尉に襲いかかったら、その孤児たちをBJは
止められないんじゃないか、と思ったんですよねー。
 止めたりしたら、「話が違う!」と孤児たちに怒られちゃうじゃない
ですか (^o^)

 でも・・・
 ひょっとするとBJには、自分の手術シーンには、孤児たちに復讐を
やめさせるだけの力があるという(つまり自分の腕に)自信があったのかも
しれませんね。

今日、BJの先の話を読んでいたら、129話に「殺しがやってくる」
というお話がありました。
これは、BJの指を取りにやってきた殺し屋が、BJの手術場面を
目撃して、その迫力に圧倒されて心変わりしてしまうという話なん
ですが・・・(この場合は、手術される患者がピノコなので別の衝撃が
あるんですが)
奇跡のメスには、プロの殺し屋にも仕事をやめさせる(しかも殺し屋は、
逆に雇い主を殺しにいって、自分も死んでしまう)だけの力があるという
ことなんです。
 すごいですね!

> こんばんはISHIBASHIです。
> これ初めて読んだ時確かにBJは危険な
> 賭けにでたな〜と思いました。

 金沢さんも「危険な賭け」説でしたね。

> けれど悪人と善人との境界はどこでひけるんでしょう。

 そうですね。このこと↑が、この「魔王大尉」のエピソードの核心かも
しれません。

 藤村甲子園さんの ↓ これも、そういうことですね。
> 虐殺者は単純明快な悪党で、
> 後悔して自殺すれば、世界は「救済」される、
> というのは、いささか出来過ぎた話に思われます。

 ナチ戦犯の話を書いてくださいましたが、おっしゃるように、
戦争が個人の性格をゆがめてしまうのも確かだと思います。

 で。さて。
 次なるBJ第96話「道すがら」では、今度はBJ自身が、自分を
半死半生の目に会わせた強盗に対して、復讐する機会を与えられます。
 強盗は、強盗の実の父によってBJのもとに突き出され、
BJは「かまわん、殺すがいい。殺せ!」と言われて、拳銃を渡され
るのですが・・・・!

 さあ、BJは復讐するでしょうか?
 どうするのでしょうか?!
(・・・なんて書いて、次回へのヒキを作っているつもり)

虫媒花


[osamushi 9162] BJ  第 95 話 出演キャラリスト
Date: Sat, 20 Jan 2001 16:33:31 +0900

おがわです。

遅くなりましたが
BJ 第95話 「魔王大尉」 出演キャラクターリスト(出演順)

  東南西北・・・・・・・・・・・ケネス大尉の秘書
  サターン・・・・・・・・・・・・ケネス大尉
  ブラック・ジャック・・・・・ブラック・ジャック
  どろろ・・・・・・・・・・・・・・ベトナムの孤児
  ?・・・・・・・・・・・・・・・・・ベトナムの孤児
  ブタナギ・・・・・・・・・・・・笑うもの

今回の出演キャラリストを出すのを渋っていたのは、ベトナムの孤児
のひとりがどうも気になっていて、300STARS'の方を確かめてから、
と思ったからなんですが、300の方でも取り上げていないようです。
丸顔の頭のてっぺんだけ毛が生えている子です。
なんかの既出キャラだと思うんだけどなあ。

サターンは「魔法屋敷」でデビューした古いキャラクターです。
その後「鉄腕アトム・ロボットランドの巻」で大魔王サターンとして登場
しています。デザイン的にはこのときのものがケネスにかなり近い。
「リボンの騎士・なかよし版」には少女マンガ風サターンが登場。
ちなみにケネスのネクタイなどについている星のマークがサターンの
トレードマーク。星条旗にもかけてあるんでしょうけどね。

この回については何人もの人が感想が書いてくれて、興味深く読ませ
ていただきました。
BJがこどもたちを手術室に入れたのはやはり賭けだったと思います。
臨床心理学者の河合隼雄先生(大学時代の恩師、といってもあまり
直接は習ってないんだけど)がなにかに書かれていたことを思い出し
ました。
心に問題を抱えたクライアントが自殺したいとか誰かを殺したいとか
いうことを話すことはよくあることなのですが、そこで実際に自殺され
たり人を殺したりすればそれはカウンセラーとして完全な失敗です。
しかしそこでただ自殺や他殺を止めることだけに専念すると、クライ
アントの心の問題は解決しません。
そこでカウンセラーはその都度難しい選択をしなければならないので
すが、そのときに河合先生は、カウンセラー自身の心のエネルギーを
より多く使う方に賭けるのだ、と書かれていました。
BJがここでやったことはまさにそれだと思います。
また河合先生の言葉の中で特に好きな言葉に「100%正しいことは
役に立たない」というものがあります。
正しいかもしれないし正しくないかもしれない、そのことに自分の存在
を賭けることによってしか問題は解決しない、という意味です。
「命は大切だ」というのは100%正しいがそれを言っても問題は解決
しません。
子供たちがケネスを殺さなかったのは、ここでBJが自分の存在を賭け
て子供たちに立ち向かったからだと思います。

その後ケネスは自殺しますが、ケネスには自分の罪と向きあって新た
な生き方を選ぶ道もありました。それをせずに自殺したケネスにBJが
同情しなかったのは当然です。

河合隼雄先生の本はいっぱい出てますが、新潮文庫から出ている「こ
ころの処方箋」というのが読みやすくてよい本です。
興味のある人はぜひご一読を。

おがわさとし


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