薮内です。
先週にお題の指定がなかったのですが
おがわさん、大丈夫でしょうか。
ずーっとこの感想の会を守っていただいていたので
1週抜けると大変心配です。
もし見かけられたらご返信下さい。
次は「○○に1票」なんてありますが
BJが終わるのにあと2年はかかりますよ。
とりあえず前に進みましょう。
第86話 「絵が死んでいる」
掲載は昭和50年8月18日号になっています。
原稿が書かれたのは7月終わり頃でしょう。
手塚先生にとって終戦の日が近づくと「戦争の悲惨さ」
を思う気持ちが、出てくるのではないでしょうか。
放射線障害(オリジナルは放射能症)によるケロイドと
潰瘍とガンによって目も当てられない彼の姿より、もっと悲惨な
光景(地獄絵)を書き残すことが彼が神から与えられた使命
だったのかも知れません。
この辺りは、宇宙人によって故郷の星歴史を描かされた
絵師「ドオベルマン」を思わせる物です。
ラストページの完成した絵とBJの「いや、手遅れではなかった」
の言葉と彼の満足げな死に顔がこの話を引き締めていると思います。
蛇足を一つ
全集第8巻の53頁右下のヒョウタンツギはオリジナルでは
こう言っています。
「チャンピオンは近頃売れているんですってね。」
薮内 覚
おがわです。
>薮内です。
>
>先週にお題の指定がなかったのですが
>おがわさん、大丈夫でしょうか。
>ずーっとこの感想の会を守っていただいていたので
>1週抜けると大変心配です。
>もし見かけられたらご返信下さい。
すいません!ご心配おかけしました!生きてます!
ちょっと最近バタバタしてたもんで、まだ前回の分のキャラリストも
作ってないんですが、とりあえず今週の分のお題、書いときます。
第86話 「絵が死んでいる!」 チャンコミ9巻、全集158巻、文庫・愛蔵版1巻収録
第87話 「満月病」 チャンコミ22巻、全集163巻、文庫・愛蔵版14巻収録
予告が遅れたので、来週水曜日まで、ということで、みなさん書きこみ
よろしくお願いします。
って僕も書かないとなあ。
おがわさとし
みなさんこんばんは。金沢みやおです。
薮内さんに便乗して、私も出てきました。
おがわさとしさん、お出ましを!。私も気になっています。
おがわさんの「次回予告」を頼りに、なんとか続けている私です。マラソンの
先導バイク警官のように、おがわさんをアテにしておりますので、どーぞよろ
しく!。
「絵が死んでいる!」(文庫では1巻です)
ご注意:今回の私の感想文、どんどん真面目っぽく暗くなりますのでよろしく。
核実験、画家の被爆、脳移植手術、死んだ絵、画家の命を受け継ぎ生き返った
地獄絵図と、大仕掛けなエピソードです。
読みごたえあります。気合入ってます。まともに核兵器廃絶を訴えており、私
としても思わず意義を正して読んでしまいます。真面目なところが好きっ!。
と言っても、例によってヒョータンツギが出没し、緊張感を破ってくれるので
しかつめらしさはありません。
画家が精魂をかけた地獄絵図が迫力です。先生の自伝にある大阪大空襲直後の
イメージがダブります(空襲後、先生は、焼け野原となった大阪から、宝塚ま
で徒歩で帰ろうとする。焼け落ちた淀川の橋の下には、無数の焼死体が横たわ
り、牛馬も焼け、異臭を放っていたとあります)。
この画家も、先生の分身であるのでしょう。
私とて「戦争を知らない子供たち」世代ですから、戦争の核のといわれても
全部、耳学問にすぎません。本作の画家のように「核兵器の悲惨さを世界に
知らせてやる」といった使命感をもった人がいてくださるので、どうにか片鱗
がうかがえる状態です。
私の母は、比較的戦争の事を語る人です。「また昔の戦の話か」とガキのころ
は鬱陶しく思っていましたが、それなりの年になったので素直に聞けるように
なっています。
終戦の頃、母は広島の女子高生でした。原爆投下の日は市外にいたので難を逃
れ、翌々日に市内を見たそうです。まったく何もない、音のないガレキの平野
で、焼死体が、あたりまえのようにいくつもころがり、夜ともなると、死体の
リンが燃え、火の玉がいくつも飛んだそうです。
まだ年若い母はそれを見て、ああ私達もこうやって死んでいくのだなと、不思
議と淡々とした気持ちで思ったそうです。
身近な人から聞かされる戦争の話は、ある部分、本・写真・映画等に勝り、
自分と、過去の歴史とのつながりを、強く感じさせられます。
戦争体験者の役割の一つが、過去を語り伝えることとするならば、戦争を知ら
ない私達の役割は、それを聞き出し、きちんと受けとめることなのでしょう。
おがわです。
BJ 第86話 「絵が死んでいる!」 出演キャラクターリスト(出演順)
?・・・・・・・・・・・・・・・・・・ゴ・ギャン
ブラック・ジャック・・・・・・ブラック・ジャック
タコ・・・・・・・・・・・・・・・・・患者
モクサン・・・・・・・・・・・・・患者
ヒョウタンツギ・・・・・・・・・驚愕するゴ・ギャン
レッド公・・・・・・・・・・・・・・医師
ガニマール・・・・・・・・・・・医師
六角さん・・・・・・・・・・・・・医師
ノタアリン・・・・・・・・・・・・・医師
ゴ・ギャンは手術前・後ともに特定できませんでした。
名前はもちろん画家ポール・ゴーギャンからですが。
ゴーギャンも南洋にあこがれタヒチに移り住んだ人なので、わりと
そのまんまという感じのネーミングです。
患者や医師たちには古株のキャラクターが出演。
14ページ目のレッドの横にいるくしゃくしゃっとした顔の人は「メトロ
ポリス」のガニマールです。
第37話「2人のジャン」のときにも話題になりましたが、「ダム・ディー
培養液」が再び出てくるのもこの回のちょっとした見所。
「チャンピオンは近ごろ売れてるんですってねー」はチャンコミ版にも
入っていました。この深刻な話にもそういうくすぐりを入れてしまうの
が手塚先生らしい。
おがわさとし
虫媒花です。今晩は。
第86話「絵が死んでいる!」について:
> 薮内です。
> 次は「○○に1票」なんてありますが
> BJが終わるのにあと2年はかかりますよ。
> とりあえず前に進みましょう。
はーい。ごもっともでーす!
私も、次はアトムがいいなんて書きましたが、2年たったら
気が変わっているかもしれません。(^o^)
> みなさんこんばんは。金沢みやおです。
> 画家が精魂をかけた地獄絵図が迫力です。先生の自伝にある大阪大空襲直後の
> イメージがダブります(空襲後、先生は、焼け野原となった大阪から、宝塚ま
> で徒歩で帰ろうとする。焼け落ちた淀川の橋の下には、無数の焼死体が横たわ
> り、牛馬も焼け、異臭を放っていたとあります)。
> この画家も、先生の分身であるのでしょう。
はーい。こちらのご説も、そのとおりだと思います。
これを書かれてしまったら、私の書くことがないじゃありませんか、
金沢さん。
うーん・・・なんとか、他の切り口を考えなくちゃ・・・(笑)
ゴ・ギャン画伯がBJの手術を受けたのは、絵を描くためだった。
でも、脳の入れ替え手術によって延命したら、却って絵が描けなく
なってしまった。
画伯が真に描きたかったもの(核への憎しみ)は、死に瀕した体の
苦しみと危機感がなければ描き得ないものだったのだ・・・
こういう点も、ひょっとすると、手塚先生はご自分の実感を描かれたの
かもしれないと思います。
えーと、そうですね。楽してたら、創作はできないというか・・・
追い詰められていないと、他人を感動させるものは表せないと
いうか・・・
ラストのBJの「いや・・・手遅れではなかった・・・」
というセリフも、《ゴ・ギャンは死んだけれど、描きたかったものを
描ききったのだから、充分に生きたといえる》というように(私には)
受け取れました。
描ければ死んでも本望、ってところですか。
私たちは気楽に先生の漫画を読んでいるけれど、手塚先生は、
この画家のように、命がけの気迫で創作をなさっていたのではない
でしょうか。
虫媒花
宮川です。遅くなりましたが、新年あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い致します。
BJ 第86話 「絵が死んでいる」 感想
南の島で被爆したゴ・ギャンは、核実験の光景を絵にかいて
人類のために残したい為、BJに手術の依頼をする。
ゴ・ギャンは脳の交換手術をしたが、納得いく絵がかけなくな
ってしまった。一年後、ゴ・ギャンは発病し、描きかけの絵を完成する。
窮地にたたないと本物が描けないというのがポイントでしょうか。
<補足>
・チャンピオンコミックスの昭和版・平成版、変更なし。
・週間チャンピオン連載時の刷り色、墨一色。ページ数、P20。
ページ割り、扉表紙、P81.本文−P82〜P100。
発行日、75.8.18.
Takehisa Miyagawa