[osamushi 8095] BJ  第 66 話 出演キャラリスト
Date: Thu, 24 Aug 2000 15:35:57 +0900

おがわです。

BJ 第66話 「火と灰の中」 出演キャラクターリスト(出演順)

  ナイロン・・・・・・・・・・・・・山男
  ジェラルミン・・・・・・・・・・ニッパチ産業社長
  力有武・・・・・・・・・・・・・・避難所の男
  ?・・・・・・・・・・・・・・・・・・良平
  ブラック・ジャック・・・・・・ブラック・ジャック
  ヒョータンツギ・・・・・・・・避難所の人々

第9話「ふたりの修二」に続き、「リボンの騎士」のジェラルミン大公と
ナイロン卿が出演。
会社の後継者問題がからんでいるのも同じです。
ナイロン、今回はけっこう人のよさそうな役ですね。
話としては例によってけっこう無理のあるところもあるのですが、ラス
トの余韻は悪くないように思います。
親子の間の非常に人間的なドラマに、人間の思いや生き死にに全く
無関係な大自然の営みをからめているところが手塚先生の上手さで
もあり、人によってはあざとさと感じるところなのでしょう。
  
おがわさとし


[osamushi 8108] BJ  第 66 話 感想
Date: Mon, 28 Aug 2000 17:52:31 +0900 (JST)

 皆様こんにちは。
 磐梯山が噴火する、と噂される中、会津で遊んできた虫媒花です。

 第66話「火と灰との中」について;

 登山者が大勢いたのに、いきなり火山が噴火を始めた。火口の中に
落ちて火傷を負った少年ひとり・・・

 噴火予測が、易しい火山と難しい火山があるんだそうですね。
 この雄叫山は予測が全然つかないタイプだったんでしょうか?
 虫媒花は磐梯山のふもとの東山温泉に泊まったんですが、旅館街は
ガラガラ。お風呂もすいてて、楽々はいれました。
 そりゃあ、噴火するとわかっていたら、観光客は減るのが当然・・・
 漫画の登山者たちは、よく火口近くまで行ったもんだと思います。


> おがわです。
> 話としては例によってけっこう無理のあるところもあるのですが、

 火傷を負った少年は、悪徳商社ニッパチ産業社長の令息だった。BJは
少年を手術して助けるが、少年の父であるニッパチ産業社長は、
すきをみて息子を殺そうとする。
 自分が心血を注いで作り上げた会社を、息子が潰すと言ったから、と
・・・

 この憎しみ合う父と子が、火山の噴火という危機の中にあって、
なぜか仲直りしてしまう。ここが・・・おがわさんのおっしゃる
「無理のあるところ」でしょうね。

息子は、自分に対する父の憎しみを知っていて、自分の身が危ないと
思ったからこそ、前もってBJを呼び寄せた。だから、地元の男に
「つき落とされたとか、自殺じゃないんでしょう?」と尋ねられたときには、
「そうです、そうです。馬鹿オヤジめ、冷酷に人さまから金を巻き上げる
だけじゃ足りなくて、実の息子まで手にかけようとしたんだ。警察を
呼んでください。殺人未遂で牢屋にはいれば、会社なんかやっていられ
なくなるんだぞ。ざまあみろ!」
 大威張りで、父をののしって当たり前。

 それが、どこどうで気が変わったのか、
「そうです。あやまって足をすべらしちまって・・・」
とは。

 その上、言うにことかいて(?)
「パパ、心配かけてごめんよ・・・」
 うううー、何たる言い草!

 ・・・パパ?
 ひええ、キモ悪い!(笑)。反抗息子の風上にも置けん奴!

 でも、この少年は、本来心根のやさしい、寂しがりの子供だった
のかもしれませんね。
 お父さんが仕事に夢中で、自分をあまりかまってくれなかったのが
悲しくて、それでスネて、反抗してみた・・・
 だから、本当の反抗の動機は、父の会社が悪どい商売をしているから、
というのではなくて、ただ「自分に振り向いてほしかった」だけ
なのかも。

> ラストの余韻は悪くないように思います。
> 親子の間の非常に人間的なドラマに、人間の思いや生き死にに全く
> 無関係な大自然の営みをからめているところが手塚先生の上手さで
> もあり、人によってはあざとさと感じるところなのでしょう。

 私は、噴出する親子の激情を、噴火に象徴させたんだと思いましたが、
この親子には、まだまだ他人には理解できない「家族の秘密」があった
という気がしてなりません。
 その秘密を明かさないまま、死んでしまった親子・・・

 それでも、やっぱり変だけど・・・(笑)

 でも、私は、この回、好きです。
 だって、火山灰だらけのハヤシライスを食べるBJが愛らしいんだもん。
 このBJを見ているだけで、話の矛盾なんかどーでも良くなりました。

       《虫媒花》


[osamushi 8116] BJ  第 66 話 感想
Date: Tue, 29 Aug 2000 21:57:22 +0900

こんばんは。あしべりかこです。

◆第66話「火と灰との中」◆

息子を殺そうとする父親とその息子。
私、この二人は、憎しみあっていたというより、父親が一方的に息子を憎
んでいたのではないかと思います。
父親は、会社を大きくするために自分がやってきたことを息子に否定され
た、もっと言ってしまえば、息子に軽蔑されたと感じていたのかもしれま
せん。子供に軽蔑されるのは、親として耐えがたいことだと思います。

一方、息子は、この話では余り語らないため、真意が分かりにくいのです
が、父親ともっと冷静に話し合いたかったのではないでしょうか。
父親が頭に血が上ってしまって、話し合える状態じゃなかったため、つい
つい、怒鳴り合いになってしまう日々が続いていただけで。
会社をつぶすと言ったというのも、今のままならつぶすという意味で、本
当はもっと父親にいい会社にしてほしかったのかも・・・?

血を吐くような努力をして会社を大きくした父親と、世間知らずで理想主
義のおぼっちゃん。意見が対立した場合、お互いを理解するのは難しいの
かもしれません(意見が一致したら調子よくやれそう。ますます悪徳会
社になりそうですが)。

父親に、旅行でもして二人でゆっくり話し合おうとでも言われれば、息子
は断れませんよね。断ると、ますます父親との溝が深まりそうですから。
だから、殺されるかもしれないと予感していても、誘われるままに火口ま
で行くしかなかった。我が身を危険にさらしても、父親を説得したかった
のかな。
それにしても、もしものためにBJを呼んでいたとは、なかなか用意周到
です。

結局、父親に「もう一度二人だけで話し合おう」と言わせた息子のねばり
勝ちですか。
しかし、この父親の言葉では、まだ二人は仲直りをしていません。父親が
冷静に話合いに応じただけであって、この話合いが決裂すれば、また振り
出しに戻るのかもしれませんから。

しかし、結局二人とも死んでしまうので、話合いの内容は、とりあえず関
係なし。

さて、つじつま合わせの試みはこの辺にしておいて、ラストについて。

今まで会社のことでギクシャクしていた親子が、死を目前にして手をにぎ
りあった。
これは、話合いがうまくいって、仲直りしたから手をにぎりあったのでは
なく、死を目前にした親子が自然に手をにぎりあったととらえるべきだと
思いました。

上手く言えませんが、金とか思想とか地位とかがからむと、親子であって
も憎しみあったりするが、本来の親子の絆は強いものなのだという感じで
しょうか・・・。

逆から言うと、親子であっても完全に安定することがない人間関係(家族
は人間関係の最小単位ですよね)と、その不安定を生み出す社会に対する
批判が混じっているようにも思えました。

うーん。でも、ラストのBJが感じているのは、おがわさんの感想と同
のような気がします。
>〔おがわさん〕
>親子の間の非常に人間的なドラマに、人間の思いや
>生き死にに全く無関係な大自然の営み
やっぱり、今回の話の一番のテーマはそれなんでしょうね。

では、最後に、今回のBJ氏の見どころ(笑)を少し。

>〔虫媒花さん〕
>火山灰だらけのハヤシライスを食べるBJが愛らしい
かわいいですね。ふふふ(含み笑い)。
しかし手術後に血だらけで灰ライス(う!ダジャレかい)とは、ちょっと
可哀相ですが、ピノコのソース入り味噌汁等というキワモノを何度も口に
してるらしいBJだから、大丈夫なのでしょう。

ところで、BJの「死んじゃうじゃないか!」というセリフ、「死んでし
まうぞ!」等じゃ駄目なのでしょうか。関西人の私にとっては、この言い
回し、不自然というか、かわいすぎるんですが。
・・・関係ないですが、関西弁だと「死んでまうやんか」かな?

「その怪我人私が引き受けよう」というセリフには、またまた〜!何、変
にカッコつけてんの、そのために来たくせに、ととりあえあずツッコミを
入れておきます(笑)。
ちなみに、私の脳裏に、実写ビデオの「そのオペ私が引き受けよう」とい
う文句もよぎってしまいました。
私、実写ビデオ版も好きなんです。

あしべりかこ


[osamushi 8129] RE: BJ  第 66 話 感想
Date: Wed, 30 Aug 2000 03:00:25 +0900

おがわです。

虫媒花さん wrote:

> 火傷を負った少年は、悪徳商社ニッパチ産業社長の令息だった。BJは
>少年を手術して助けるが、少年の父であるニッパチ産業社長は、
>すきをみて息子を殺そうとする。
> 自分が心血を注いで作り上げた会社を、息子が潰すと言ったから、と
>・・・
>
> この憎しみ合う父と子が、火山の噴火という危機の中にあって、
>なぜか仲直りしてしまう。ここが・・・おがわさんのおっしゃる
>「無理のあるところ」でしょうね。


それ以前に、会社を継がない、のは息子の自由だとしても
息子が会社をつぶす、と言ってつぶれるものなのか?会社って
と思いました。
実際につぶせないにしても、そう言ったことが許せない、という
こともありうるだろうけど、殺人の動機としては弱いし。
しかも息子が殺人を予感していたとするとなおさら。
もしかして息子は会社にとって致命的な秘密を握っていたと
いうこともありえますが。

ところで、僕の持ってるチャンコミでは、BJは「あんたは親族殺人
未遂になりますぜ」と言っていて、あれ?と思ったんですが、全集
では「尊属殺人未遂」に直っていました。
法律用語には暗いんですが、これは「尊属殺人」が正解ですよね。

あとラストの火山の爆発ですが、僕は「浄化」のイメージかな、と、
あとから思いました。
ハッピーエンドとは言えないラストなのに、読後感が意外に悪くな
いのはそういうことかな、と。

「死んじゃうじゃないか」はあしべさんが言うとおりちょっとかわい
すぎる気がしますね。僕も関西人だけど。

おがわさとし


[osamushi 8133] RE: BJ 第 66 話 感想
Date: Wed, 30 Aug 2000 17:21:11 +0900

佐藤@流山です。

おがわさんwrote
>ところで、僕の持ってるチャンコミでは、BJは「あんたは親族殺人
>未遂になりますぜ」と言っていて、あれ?と思ったんですが、全集
>では「尊属殺人未遂」に直っていました。
>法律用語には暗いんですが、これは「尊属殺人」が正解ですよね。

うろ覚えですが、親族殺すのも赤の他人殺すのも人の命の重さは同じだというこ
とで、当時から「尊属殺人」という犯罪を認めるか、ただの殺人とするか議論が
あったと思います。(「尊属殺人」はただの殺人に比べて罪が重い)チャンコミ
ではそれをさけて「親族殺人」にした?

「広辞苑」からです。
「尊属殺」
自己または配偶者の直系尊属を殺害する罪。法定刑が死刑・無期懲役に限定され
ていることについて、最高裁判所は憲法違反とした。一九九五年の刑法改正で削除。


[osamushi 8146] BJ第66話感想
Date: Thu, 31 Aug 2000 01:19:58 +0900

 みなさんこんばんは。金沢みやおです。

>[8081] 虫媒花さん wrote:
>「幽霊だけに?」
>「出したくても、おあし(お金)はなかったのさ」

 江戸落語風感想文とは凝りましたね?中媒花さん!。
 「まくら」「噺」「下げ」まで全部揃っているとは恐れ入りました。
 「のざらし」、上方落語では確か「骨釣り(こつつり)」と言います。
 さすが大阪落語、こつつりだなんて、「そのままやないかい!」とつっこみの
 入りそうな演題です。さて、

 「火と灰の中」

 ニッパチ産業の社長さんの心情は、嵐にもまれる小船のようにむちゃくちゃ
 揺れ動いていますね。身内への複雑な思いが感じられます。

 ←可愛さあまってにくさ100倍!つい、突き落としてしまった!。
           しかし、父親だと名乗り出、大金出してBJに手術を頼む→
   ←せがれなんざ危険な避難所に置き去りにしてやる
  ←やはり死んでもらう。ベッドごと避難所から放り出せ!
 ←そうだ、私がせがれを殺そうとしたんだ!
          ←どうにも・・しかたがなかったんだ・・・→
    お前を殺そうとしたこの父親をかばおうと言うのか、せがれよ・・→
                      二人だけでもう一度話し合おう→

    (理性的でしかも熱い話し合い。お互いにはきだすものをはきだし
     誤解は解け、新たな問題点相違点ははっきりし、解決の知恵が出され
     明日に希望の持てる展望が親子の間に開けた・・・と私は思いたい!)

          (しかし、火そして灰が二人を飲み込む)

 ラストシーンのBJの胸中はいかに。BJ左側の空きスペースに、こんなセリフ
 の吹き出しを想像して、雰囲気をぶちこわすのはやめましょう。

 BJ「ちっ 二千万円 取りそこねたぜ!」

 せがれの良平よ。最後までほとんど顔らしい顔を描いてもらっていない君は
 いったい全体誰なんだい?。有名スター俳優じゃあ、ないよねえ?。


[osamushi 8692] BJ 第66話 感想
Date: Sun, 19 Nov 2000 20:56:10 +0900

宮川です。 BJ 第66話 「火と灰の中」 感想

父親と息子の関係について。この話しの状況は、父親の社会的立場と
息子の立場があり、相互の葛藤の末に父親が、息子を噴火口へ連れ
だし殺人未遂にいたります。が、火口に落ちた息子をBJが手術してか
ら、二人はもう一度話し合いをします。
しかし、突然その時、火山が噴火し二人は死んでしまいます。最後に
二人の死体はしっかりと手を握りあっていたというのが結末です。

この結末は、これでよかったのかなとも考えます。二人の死というもの
でなく、二人の相互理解のストーリーを展開しても良かったかもれませ
ん。しかし、多分そうしたストーリーにするにはページ数の限界があった
と思われます。この作品は、オリジナルからコミックスに転載する時に、
多数の台詞が変更されています。BJ作品の中でも、これだけ台詞変更
がある作品は数少ないと思います。
コマ絵については、最終ページの辺が変更されています。

オリジナルからコミックスへの変更の内容を考えますと、先生自身かな
り色々とストーリー上、苦心された跡が見えます。

しかし、父親と息子の相互理解が死をもって終わるというのは、最初の
モチーフからして変えられないものだったのでしょう。

<補足>

・チャンピオンコミックスの昭和版・平成版、変更なし。

・週間チャンピオン連載時の刷り色、墨一色。ページ数、P20。
 ページ割り、扉表紙、P75.本文−P76〜P94。
 発行日、75.3.24.

Takehisa Miyagawa


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