薮内です。
第53話 「はるかなる国から」
このタイトルを見る限り、スウェーデンから患者がたずねて
来て、A大の坂台教授が失敗しそうなのをBJが助けるのか
と思ってしまいますね。
しかし、スウェーデンから来た少女が「イングリッド」というのは
映画スターの「イングリッド・バーグマン」からとっているんでしょうね。
“カサブランカ”や“ジャンヌ・ダーク”での神々しいまでの美しさも
忘れられませんが【ブラームスはお好き】での中年のバーグマンも
何とも言えず好きでした。
元に戻って
それにしても、手塚先生、あっさりイングリッドちゃんを殺してしまうなんて
可哀想じゃありませんか。何とか助けられないものでしょうか。
タイトルから見ると最初はこのストーリーではなかったはずと思います。
でも、BJの神業で山田さんの娘さん1人でも助かって良かったなと思います。
現在、子供の心臓などの脳死移植が出来ないので、日本から
募金を集めてオーストラリア、カナダへ幼い少年・少女が
旅だって行きますが、彼の国の人からみれば「はるかなる国から」
冒頭のシーンそのものでしょう。
日本で手術が受けられるようになることを祈ります。
薮内 覚
おがわです。
BJ 第53話 「はるかなる国から」 出演キャラクターリスト(出演順)
ポセイドン・・・・・・・・・・・・・板台教授
ヘック・ベン・・・・・・・・・・・・ハイネマン氏
亜美・・・・・・・・・・・・・・・・・・イングリッド
?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・レポーター
赤塚不二夫?・・・・・・・・・・医師
馬場のぼる?・・・・・・・・・・医師
ダブル・・・・・・・・・・・・・・・・山田さん
ピピ子・・・・・・・・・・・・・・・・山田さんの娘
レッド公・・・・・・・・・・・・・・・医師
ノタアリン・・・・・・・・・・・・・・医師
ロンメル・・・・・・・・・・・・・・・医師
ブラック・ジャック・・・・・・・・ブラック・ジャック
淀川長治・・・・・・・・・・・・・・解説者
病院長・・・・・・・・・・・・・・・・ブラック・ジャックの友人の医師
あまり脈絡なく多彩なゲストが登場する回。
板台教授には、第18話「二度死んだ少年」のゴアに続いて、とんでもな
い人物が!ってそもそもあんた人間じゃないでしょう。
いくら名医といわれてもこの人の手術は受けたくないなあ。
日本医師連盟会長のアリゲーター氏(バンパイヤ)を含め、「ブラック・
ジャック」にはばけもの医師が多いですね。先生の実感?
ハイネマン氏にはおなじみヘック・ベンですが、彼にしては珍しい役柄。
結構いい味出していますね。
「手塚治虫キャラクター図鑑」はイングリッドちゃんを「低俗天使」のジュ
ジュとしていますが、違うと思う。「アラバスター」の亜美ちゃんの幼女時
代です。薄倖の少女役がはまりですね。
つば飛ばしてるレポーターは分かりませんでした。実在のモデルがいそ
うな顔だけど、芸能関係は弱いんで。
板台教授の助手(?)の二人は赤塚先生と馬場先生だと思うんですが、
ちがいますか?馬場先生にしてはこぎれい過ぎ?赤塚先生(?)の変な
髪型は何?
山田さんにはまた珍しい人が!「キャプテンKen」のダブルです。
少年のまま死んでいったダブルに父親役をやらせているのがなんとも
粋なはからいですね。
「ブラック・ジャック」にはかつての少年少女キャラに父親母親役をやら
せるという例が他にもいくつかあります。
山田さんの娘は「海のトリトン」つながりでピピ子が演じています。
あと第43話「誤診」の病院長が再び出演。いつの間に友達に?
おがわさとし
みなさん今晩は。金沢みやおです。
「はるかなる国から」
名声第一のため、世界が注目するイングリットちゃんの手術は引き受けたが、
無名庶民山田氏の娘の手術は断り見殺しにする板台教授。
テレビを通じて板台教授に侮辱されたBJは、天才外科医の意地をかけて
山田氏の娘の手術を引き受け、板台教授を相手に間接対決をする。
板台教授は失敗、BJは成功。勝負はついた。
と、大変わかりやすい展開。悪く言えば予想通りの展開で、作品への印象は
ちょっと薄いです。
人工肺やローラー型人工心臓が図解されていますが、今はもっとすすんだ
装置になっているんでしょうね。ローラー型人工心臓は、血液チューブを
ローラーで押しつけながら、チューブ内の血液を押し出すようにローラー
が回るのだと思いますが、絵ではもうひとつ良くわかりません。
虫媒花です。
「はるかなる国から」について:
BJと板台教授の「勝負」の話。BJが勝ち、やったぜ!というところ
なんだけど、後味があまり良くない。
イングリッドちゃんが犠牲になっているからです。
なんとか、イングリッドちゃんまでBJが助けてあげる話にできなかっ
たかなあ! 残念です。
《虫媒花》
田島 加代子
宮川です。
第53話 「はるかなる国から」 BJ感想
名声を欲する板台教授のテレビニュースを見たBJは、男としての意地で
教授と勝負する。結果はBJの勝ち。
名誉とか名声とか権力を欲する者とのBJの戦いは、いつもながらBJは
表舞台にはでない。ここでは誰が手術したかきっちり口止めします。
<補足>
・チャンピオンコミックスの昭和版・平成版、変更なし。
・週間チャンピオン連載時の刷り色、藍一色。ページ数、P21。
ページ割り、扉表紙、P103.本文−P104〜P123。
発行日、74.12.16.
Takehisa Miyagawa